「なんだよ、メシツカイって!」



チキュが唇を尖らせながら言った。



「………お前、召使いを知らないのか?

どんだけ貧相な生活してたんだよ………。


簡単に言うと、俺のために働く人間ってことだ」




「なんでお前のために働くんだ?

恩義があるから?

それとも給料もらえるから?」




無邪気にそう訊かれて、タツノは言葉に詰まる。




「なんでって………。

俺は天貴人で、あいつは天つ民だからさ」



「なんでアマツタミはアマツアテビトのために働くんだ?」



「そりゃあ………、昔からそう決まってるからだろ」



「誰が決めたんだ?」



「はぁ? …………分からないけど、創世神か天皇だろうなぁ」



「そいつはそんなに偉いのか!」



「そりゃ偉いさ」



「なんで? 良い奴なのか?」



「いや、それは知らないけど…」