天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

身を灼き焦がすような後悔と悲しみの中で、セカイは窓の外を眺めた。



ほんわりと光に包まれたような三人の姿が、セカイの視界にとらえられる。




ヘレンは、目が覚めたらしい妹と手をつないだ。




小さな妹の、空いた方の手は、ヘレンの兄に握られている。




兄が小さな靴を取り出し、妹に履かせた。




小刻みな足音と、ゆったりとした足音をそれぞれに響かせ、三人は仲良く並んで歩いていく。






「………家に、帰るんだね」





セカイは、そう独りごちた。



家、という言葉を、ずいぶん久しぶりに口にした気がする。






(………僕の家は、もうない。


チキュとウチューのいる場所が、僕の家だった)






それでも、セカイは失ったからといって、諦めるつもりはなかった。







(ーーー取り戻さなきゃ。



僕の、家を…………。





たいせつな二人をーーー)








ランプの火を揺らす風は、ますます強くなっていた。










ーーーーーー第2巻 終


第3巻へ続く



『天と地の叙事詩Ⅲ』
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