天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「でも、一度消えてしまった火は、二度と戻ってこない………。


そうしたら僕たちは、暗くって、寒くって、凍えちゃうんだ。



そしてやっと、火がどんなに明るくって、あたたかくって、僕たちをどんなに癒してくれてたのか、分かるんだ」






「ーーーそうね……」






ヘレンは、その暖かな火の恩恵を忘れようとしていた自分を思い返し、恥じた。



そのとき、セカイの喉元から、苦しげな吐息の音が聞こえてきた。





「………セカイ?」





セカイの双眸には、うっすらと涙が滲んでいた。






「………僕……僕は、分かってたはずなのにーーー。




ずっと、嫌な予感がしてたんだ。



僕の大事な火が、今にも冷たい風に吹き消されてしまうんじゃないかって、なんとなく、いつも不安だった。


なんとかしなきゃ、僕の火を守らなきゃ、っていつも思ってた。




それなのにーーーそれなのに、僕には何も、できなかった。



火が消えていくのを、黙って見ているしかなかった。





……………あぁ。



どうして、こんなことにーーー」