天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

微かに笑ったセカイは遠い目をして、しばらくパトロとジュリの方に視線を向けていた。




そのまま黙り込んでしまったので、ヘレンは少し戸惑う。





「………セカイ?


どうしたの?」





「うん………」





セカイの返事はひどく小さく、ヘレンの話を聞いているのかいないのかよく分からなかった。



しかし、外で待つ二人のことを考えて気が急いたヘレンは、自分に言い聞かせるかのように話し出した。






「あのね、セカイ。


あたし、やっぱり、村に……家に戻るわ」





「そう」





セカイは口だけを動かした。




あまりにも素っ気ない答えに、ヘレンは微かに傷ついたが、気を取り直して続ける。





「………ごめんね。


セカイと一緒に行くって言ったり、やめるって言ったり、あたし、わがままね」






セカイはゆっくりと顔をヘレンの方へ向け、言う。





「ううん。

僕、分かってたよ。


ヘレンはきっと、家を捨てられないって」





柔らかい声音でそう呟いてから、セカイは視線を戻し、出窓に置かれたランプを見つめた。