天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

その仕草を見て、ヘレンは幼かったころのことを思い出す。




ヘレンが小さいとき、父親はいつも長い漁に出ていて、ほとんど家にはいなかった。



だから、パトロが父親の代わりに、よくヘレンを外に連れ出し、遊びに付き合ってくれた。



砂浜に行って水遊びをしたり、海女の真似事をしたり、山で木の実を採ったり、それを投げて遊んだり。




ヘレンは優しい兄のことが大好きで、いつもいつも纏わりついていたけれど、パトロは一度だって嫌な顔をしたことがなかった。



遊んだ後には、昼寝をするヘレンを寝かしつけてくれ、いつも額に口づけをくれた。



その優しい仕草が、子ども心に大好きだったのだ。






(………兄さんはすごいわ。

あたしみたいに、弟妹の世話を嫌がったりしないで、いつも笑顔で遊んでくれた。


素晴らしい人だわ)