天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

ヘレンはジュリを抱きかかえたまま、地面に腰を下ろした。



にわかに重くなった小さな身体を膝の上にそっと乗せ、背中を優しく撫で続ける。





ジュリの呼吸は整っていき、今は寝息のように深く緩やかになっていた。





閉じられた瞼の周りと頬に残った涙の痕を、ヘレンはそっと拭う。




そして、無心に眠る邪気のない寝顔をじっと見つめていた。





そこに、「ヘレン! ジュリ!」とパトロの声が聞こえてきた。





「兄さん! ここよ!」





こちらへ駆けてくる兄の姿を見つけ、ヘレンは大声で答えながら手を振った。






「ーーーあぁ。


ジュリ、見つかったのか………」





ぜぇぜぇと息を切らしながら、パトロは安堵したように膝をついた。




そうして、ジュリの頬に手を触れる。




「なんだ、寝ちゃったのか」



「そうなの。ついさっき」



「よかった………」





ジュリの丸い額に、パトロはそっと口づけた。