天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

チキュが首を長くして部屋の戸口を眺めていると、小箱のようなものを持ったタツノが入ってきた。





「おい、持ってきたぞ」



タツノが小箱を差し出す。




「やった!!

助かったよ、ありがと!」




チキュはにっこりと笑って受け取った。





そして、蓋を開ける。




「…………ん?」




中には、もやっとしたものが入っているだけだった。




「…………なんだ? これ」




チキュは戸惑ってタツノを見る。




「何って、霞だよ」



「は? カスミ?」




チキュは眉を顰めて首を捻る。




「なんで、カスミなんてもの、持ってきたんだ?


オレは喉が渇いたの!


水をくれよ、水を!!」