天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「………誰が何と言おうと。


ヘレンは、素晴らしい人だよ。



優しくて、気遣いができて、何でも手際が良くできて、それなのに控えめで。



それに、笑顔も可愛いよ。



さっき、海に潜った時のヘレンも、すごく生き生きとしてて、楽しそうで、素敵だった。




ヘレンは、変わる必要なんて、ないよ。



今のままで、あの村にいるままで、本当は、幸せなんじゃないかな?」






セカイの声は、鼓膜をしっとりと湿らせるようだった。




ヘレンの目から、涙がぽろぽろと零れ出した。






「あたし、………ちょっと、外に出てくるわ………」





ヘレンは呟くようにそう言って、戸を開けて出て行く。





その後ろ姿を、セカイがじっと見送っていた。