天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「………あたし、変わりたいの。


そして、幸せになりたいの。



あの村は、もう嫌………。


狭くて小さくて、皆が不躾で遠慮がなくって、他人の心の中のことにまで、ずかずかと土足で踏み込んでくる。



それにね、毎日毎日、おんなじ事の繰り返しの生活。



朝起きて、ご飯を作って、弟たちと妹の世話をして、父と兄の漁の手伝いをして、洗濯をして。


海女の仕事をして、夜になったら、泥のように疲れ切って眠る………。




そして次の朝、目が覚めて、またおんなじ事の繰り返し。



ーーーあたし、息が詰まりそうだった。


ずっとずっと、苦しくて、村を出たくて仕方がなかった。




だから………だから、あたしは、セカイと出会って、救われたと思った。



セカイはあたしにとって、救いなの。



つまらないあたしの人生を変えてくれる、あたしの救いの主なの………」