天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

セカイは真っ直ぐにヘレンを見つめる。




「………ヘレンが僕と一緒に行きたいのは、誰のため?


僕のため?


それとも、………自分のため?」





静かな声でそう問われて、ヘレンは驚いたように目を上げる。




「………え?」




セカイは揺るぎない瞳でヘレンに視線を当てていた。





「ねぇ、どうなの?


僕が怪我人だから、付いて来てくれるの?

それだったら、心配しなくても、大丈夫だよ。


僕は、もう怪我もほとんど治った。


歩くのに支障はないし、一人で、どこでも行けるから」




「違うわ!」




ヘレンは鋭く否定した。




「あたし、あたしは………。


あたしが、セカイと一緒にいたいから。


だから、付いて行きたいの」