天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

特に怪しまれることもなく、隣り合う二部屋を取ることができた。




右側の部屋にセカイが、左側の部屋にヘレンが入る。






荷物を置いた後、すぐにヘレンはセカイの部屋に行った。




戸を敲き、「入ってもいい?」と声をかける。




「どうぞ」という声が聞こえたので、静かに戸を開けた。




セカイは窓際にある寝台に腰掛け、外を眺めている。





頭に巻いたスカーフの端が、窓から入ってくる風に、ひらひらと靡いていた。