天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

タツノは仕方なく部屋を出て、厨所へと足を運んだ。




その道中、考える。




(ーーーいくら、落ち目のソガノ家とはいえ。

その首長の御曹司である俺が、なぜこんな小間使いみたいなことを………)




薬師の調合した薬を服用させると、チキュは徐々に体調が回復した。



そのまま、穏やかで安らかな眠りを満喫すること数日。



やっとのことで目を覚ましたと思ったら、こちらの予想を裏切る異常な元気を取り戻し、あの有様だ。





(………威勢のいい娘だと思って、そこを気に入ったのもあったんだが。


まさかあそこまで傍若無人な奴だったとは………)




これからの結婚生活に若干の不安を抱えながら、タツノはとぼとぼと回廊を行くのだった。