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日が翳ってきた頃、とうとう、地国の頭部を南北に走るリューロウの南端、カルフィまでやって来た。
船によって地国中の土地を繋ぐ海上交易の要衝として、はるか昔から栄えている港町だ。
「ほぅ、賑わってるねぇ」
セカイはぐるりと見渡しながら呟いた。
入りくんだ湾の最奥部に船着場があり、水揚げをする大型の船がひしめき合うように浮かんでいた。
その周りで、漁獲された魚の入った木箱を受け取って次々と後ろへ回していく男たちが、がやがやと働いている。
回された魚は市場へと送られ、各地から集まってきた売人によって吟味される。
ルルティアやアイラル河の市場とはまた違った活気のある風景に、セカイは興味深げに首を傾げていた。



