天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

貝を焼く火を眺めながら、よく分からない疑問を呈するセカイを、ヘレンは笑って見つめた。




「ふふふ。

セカイって、いっつもそんなこと考えてるの?

変わってるわねぇ」




「そう?」




呟くように言って、セカイは再び火についての考えに没頭していった。





(火って、きれいだなぁ………。

なんで、こんなにきれいなんだろ?


それに、見てると、すごく落ち着く。

火って一体なんなんだろう………)





押し黙ったまま火を見つめるセカイの澄んだ紫の瞳に、真っ赤な炎がちらちらと映っていた。




それに目を奪われながら、ヘレンは思う。





(………ほんと、セカイって面白い。


予想もしないことばっかりだから、セカイといるの、飽きないわ)





セカイといる時間が、セカイとの旅路が、ヘレンには楽しくて仕方がなかった。