天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「この辺りの海は、どんなものが獲れるの?」



ふと思いついたようにセカイが問うので、ヘレンは顎に手を当てながら「そうねぇ」と呟く。





「ちょっと潜っただけでも、貝とか海藻とか、いくらでもいるわよ。


もちろん魚も。

オーサとかキョウとかナーラとか、小さいのから大きいのまで、たくさん泳いでるの。


南の海だから、色の鮮やかな、きれいな魚が多いわね」





少し自慢気な表情で、ヘレンは答えた。



セカイはこくこくと頷く。





「そうかぁ、いいなぁ。

僕も見てみたいけど………。


でもまだ怪我が治りきってないし、今入ったらきっとすごく痛いよね」





ヘレンは苦笑しながら「当り前でしょ」と言った。