天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

(………あぁ、そうだった。


ジュリにとって、初めてのお祭り………)





しかし、ヘレンには余裕がなかった。




「ごめん、ごめんね? ジュリ。

お祭りは、また来年にしよう」



「らいねん!? やだ〜!!!

あしたいきたいの!!

らいねんなんて、まてないよっ!!」





顔中を歪めて喚くジュリの前にしゃがんで、ヘレンは溜息を吐く。





「………仕方ないじゃないの。

お姉ちゃんは、明日は行けないの。


そんなに明日のお祭りがいいなら、お兄ちゃんの誰かに連れてってもらいなさい、ね」




「いやぁ〜!!!」




とうとうジュリは涙を溢して泣き出してしまった。