「兄さん!
………詳しい事情は言えないけど。
今すぐにセカイを村から逃がさなきゃいけなくなったの。
あたし、今から荷物をまとめて、港町まで行くわ」
「な、なんだって!? 」
パトロは驚きに目を瞠った。
読んでいた本を放り出すように手離し、ヘレンの側に駆け寄る。
その肩を掴んで大声で言った。
「ちょ、ちょっと待て、ヘレン!!
どういうことか、ちゃんと話せ!!」
しかしヘレンは首を横に振る。
「とにかく、時間がないの!
話してる時間がもったいないの。
急がなきゃ、セカイが大変なことに……。
お父さんやお母さんには、上手いこと言っといて。
兄さん、お願い!」
ヘレンは手を合わせて、兄を窺った。
パトロは戸惑ったように口をぱくぱくさせている。
………詳しい事情は言えないけど。
今すぐにセカイを村から逃がさなきゃいけなくなったの。
あたし、今から荷物をまとめて、港町まで行くわ」
「な、なんだって!? 」
パトロは驚きに目を瞠った。
読んでいた本を放り出すように手離し、ヘレンの側に駆け寄る。
その肩を掴んで大声で言った。
「ちょ、ちょっと待て、ヘレン!!
どういうことか、ちゃんと話せ!!」
しかしヘレンは首を横に振る。
「とにかく、時間がないの!
話してる時間がもったいないの。
急がなきゃ、セカイが大変なことに……。
お父さんやお母さんには、上手いこと言っといて。
兄さん、お願い!」
ヘレンは手を合わせて、兄を窺った。
パトロは戸惑ったように口をぱくぱくさせている。



