天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「…………じゃ、あなたは。


またセカイを狙うってことね?」





バージは意味深な笑みを浮かべる。





「そうかもしれんなぁ。


………でも、俺だけじゃないぞ?」





「………え?」





訊き返したヘレンに向かって、バージは顎を上げながら言った。





「魔除けになる紫の瞳の価値は、知る人ぞ知るってやつらしいからな。


その目玉を、誰がどこから狙ってるかなんて、分かったもんじゃないだろ。


ほれ、今にもあいつの目玉は抉り出されるかも知れないぞ」





「…………」






身の毛もよだつような不気味な話を、にやにやと下卑た表情で語る男と、それ以上話を続ける気にもならなかった。





ヘレンはゆっくりと瞬きをしてから、身を翻した。





そのまま外に出て、バージの家を後にする。