* ふわ、と頬に触れるものがあった。 暖かくて、静かで、心地好い。 穏やかな気持ちで、チキュは深い意識の奥底から少しずつ浮上した。 また、何かが頬に触れる。 (ーーーなんだろう、髪かな?) さらさらと流れるような感触から、そう思う。 瞼の裏に、陽に透けて金色に輝く柔らかい絹糸が浮かんだ。 (…………ああ) 「ーーーセカイ…………」