天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether











ふわ、と頬に触れるものがあった。







暖かくて、静かで、心地好い。



穏やかな気持ちで、チキュは深い意識の奥底から少しずつ浮上した。






また、何かが頬に触れる。





(ーーーなんだろう、髪かな?)






さらさらと流れるような感触から、そう思う。





瞼の裏に、陽に透けて金色に輝く柔らかい絹糸が浮かんだ。





(…………ああ)








「ーーーセカイ…………」