天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「あ、そうだ」





セカイはぱちんと両手を叩き、口に出して言った。





「ーーーそうだ、僕だ。


僕が、そう思ったんだった」





もう随分と昔のことのように感じられる、チキュとウチューと三人で暮らした日々を、セカイは思い出した。




まだ、ルルティアにいた頃。



三人の平穏な生活を脅かすものは、何一つなかった。




そんなある日、ウチューが急にルルティアを去ると言い出した。



そのあまりの性急さを、セカイとチキュは訝しんだ。




今思えば、平和で幸せな日々に、少しずつ霧がかかり始めていたのだ。




セカイはなぜか、不安になった。



そして唐突に強く、「“今”を失いたくない」と、思ったのだ。




そのためなら、何だってできる、と。






(………そうだ。


このままじゃ、だめだ。



僕は、行かなきゃいけない。



ウチューに会いに。



チキュに会いにーーー)







全身に力が漲ってくるのを、セカイは確かに感じていた。