調合所へ向かう薬師と、それを見送りに出たサヤを尻目に、タツノはチキュの傍らに腰を下ろした。
「………お前、そんなに辛いのか。
悲しいのか。
あいつらを失ったことが………」
床に落ちた、血の染みの残る衣服に目を向けながら、呟く。
チキュは聞こえているのかいないのか、ぜえぜえと苦し気に呼吸している。
その苦悶の表情を、タツノは静かに見つめる。
「ーーー何とかしてやりたいが、こればっかりは、どうにもならないな。
自らの力で、乗り越えるしかないだろう」
そして、おもむろに手を伸ばし、チキュがいつも必ず身に付けていた真紅の首飾りを、そっと外した。
ほっそりとした首筋に浮かび上がるあるものに、微かに目を瞠りながら、じっと視線を当てる。
(………お前は、一体、何なんだ?
どれほど大きな宿命を、背負わされているんだ?
なぜ、誰もがお前を欲する…?)
タツノは思い遣りの籠った目でチキュを見つめ、汗と涙に濡れた頬に優しく手を添えた。
「………お前、そんなに辛いのか。
悲しいのか。
あいつらを失ったことが………」
床に落ちた、血の染みの残る衣服に目を向けながら、呟く。
チキュは聞こえているのかいないのか、ぜえぜえと苦し気に呼吸している。
その苦悶の表情を、タツノは静かに見つめる。
「ーーー何とかしてやりたいが、こればっかりは、どうにもならないな。
自らの力で、乗り越えるしかないだろう」
そして、おもむろに手を伸ばし、チキュがいつも必ず身に付けていた真紅の首飾りを、そっと外した。
ほっそりとした首筋に浮かび上がるあるものに、微かに目を瞠りながら、じっと視線を当てる。
(………お前は、一体、何なんだ?
どれほど大きな宿命を、背負わされているんだ?
なぜ、誰もがお前を欲する…?)
タツノは思い遣りの籠った目でチキュを見つめ、汗と涙に濡れた頬に優しく手を添えた。



