天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

男が短刀を持ったままだったので、セカイはヘレンに向かって叫ぶ。




「ヘレン、危ない!」




ヘレンは驚いたように目を見開き、身を翻して男を避けた。




男はそのまま、逃げるように夜闇の中を駆けて行った。





それを見送りながら、ヘレンは混乱している。



ゆっくりと振り返り、力尽きたようにしゃがみ込んでいるセカイに声をかけた。




「………ど、どういうこと?」





セカイは微かに首を振る。




「………僕も、よく、分からない」




ヘレンがセカイの側まで歩いてきた。



そうして、セカイの右手に、あの血塗られた剣が握られているのに気がついた。






「………もしかして、襲われたの?


あの男、バージだったわよね?


今日の昼に会った………」






セカイはこくりと頷く。





「………よく分からないけど、目が覚めたら、あの男がここにいた。


そして、ナイフみたいなもので、突然襲いかかってきた。


どんな意図かは、分からない………」