天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

侵入者の男は、セカイの異変に気づいた。




息を呑むようにして、短刀を強く握り直す。




紫の双眸が徐々に深さを増し、赤みがかってきた。







(…………これが、噂のーーー)







そう思って、男は舌舐めずりをした。




短刀を勢いよく突き出す。





それをすぐに、セカイが剣で払い除けた。




防撃のための反射は良いが、しかし武器を使い慣れているわけではない。



いくらセカイの剣の方が長く有利であるはずとはいえ、上手く攻撃に転じることができなかった。




男は躊躇いもなく次々と打ちかかってくる。



それを受け止めるように剣を振り上げることのほか、セカイに為す術がなかった。