「…………どうだ?」
タツノに訊ねられ、薬師はすっと手を引き出しながら答える。
「脈拍が少し速うございますが、お熱はございません。
しばらくすれば、お身体が慣れてきて回復なさると思いますが………」
「………そうか。ならばよかった。
胸が、痛いと言っていたが………」
薬師はチキュの青い顔に目を向けた。
「それは、もっと詳しくお調べしなければ、分かりません。
なにか胸に病をお持ちか、あるいは、………お心に何か、お苦しみの種を抱えておられるのか………」
薬師がふいと視線を動かし、少し離れた所にある文机の脚下に散らばる衣服を見た。
タツノもそれに気がつき、そうか、と納得する。
「心当たりは、なくもない。
時間が、かかるかも知れないな………」
タツノは独りごちる。
薬師はそれを聞いて頷いた。
「そうですか。承知いたしました。
とにかく、ご気分の楽になるようなお薬を調合して参りましょう」
タツノに訊ねられ、薬師はすっと手を引き出しながら答える。
「脈拍が少し速うございますが、お熱はございません。
しばらくすれば、お身体が慣れてきて回復なさると思いますが………」
「………そうか。ならばよかった。
胸が、痛いと言っていたが………」
薬師はチキュの青い顔に目を向けた。
「それは、もっと詳しくお調べしなければ、分かりません。
なにか胸に病をお持ちか、あるいは、………お心に何か、お苦しみの種を抱えておられるのか………」
薬師がふいと視線を動かし、少し離れた所にある文机の脚下に散らばる衣服を見た。
タツノもそれに気がつき、そうか、と納得する。
「心当たりは、なくもない。
時間が、かかるかも知れないな………」
タツノは独りごちる。
薬師はそれを聞いて頷いた。
「そうですか。承知いたしました。
とにかく、ご気分の楽になるようなお薬を調合して参りましょう」



