天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

腰を低くして、ゆっくりと横に進んでいたセカイの足が、壁に当たった。



小屋の隅の角まで来てしまったのだ。






それを察知した人影は、即座に動いた。



後ろにも左右にも逃げられないセカイの肩をぐいと掴む。




そのまま、短刀を真っ直ぐにセカイの顔に向けて突き出してきた。





セカイは反射的に深く腰を落とした。



勢いよくしゃがみ込んだセカイの頭上を、光の筋が走る。





刃に触れた髪の一筋が、はらはらとセカイの頬に舞い落ちてきた。






(…………わぉ。


これが噂の、文字通りの危機一髪、ってやつか………)






またもや他人事のように思いながら、セカイはぼんやりと人影を見上げた。