天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

浜辺をゆったりとした足取りで散歩する二人に、一人の男が近づいてきた。





「ヘレン。これが噂の、お前のヒモか?」





無遠慮な視線をセカイの顔に落としている。




セカイは微かに首を傾げて、男には何の興味もなさそうに、青空を流れていく雲を見ていた。





「………バージさん。


やめてください、そんな言い方………。


セカイに失礼よ」





ヘレンが小声で諌めたが、バージは気にする様子もない。





「なんでだよ、ヘレン。


お前がぜーんぶ面倒見てやってるんだろ?


食事から寝床から、もしかして下の世話までしてやってんのか?」





バージは下卑た嗤いを浮かべた。



ヘレンは真っ赤になって睨みつける。




もともと、若い娘を見るとすぐにいやらしい言葉をかけてくるこの男が、ヘレンは大嫌いだった。




今までは見つからないようにこそこそ逃げていたのだが、今は隣にセカイがいてくれるので、心強さもあってヘレンは遠慮せずに強い視線を向けた。