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ヘレンが匿っている少年の話は、驚くような勢いで村中に広まった。
金色がかった髪と、紫の瞳を持つ、美しい少年ーーー。
その少年を見るため、噂を聞いた人々が用もないのに海辺の漁師小屋をうろつく。
怪我が回復し、自由に歩き回れるようになってきたセカイは、小屋を出てふらふらと村を回るようになった。
どこに行っても、好奇心を隠さない視線が追ってくる。
しかし、新しい土地に行き不躾な視線で見られることに慣れているセカイは、人々に関心を向けられることを気にもせず、どこ吹く風だ。
セカイを守るように傍らを歩くヘレンの方が、いつも落ち着きを失くした。
「ねぇ、セカイ。ごめんね」
ヘレンが小さく声をかける。
「…….え? なにが?」
セカイは不思議そうにヘレンを見下ろした。



