天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

マリは気まずそうに頷き、「戻るわよ」と後ろにいた女たちに声をかけた。




「じゃあね、セカイさん、ヘレン」




そう言って、彼女たちは踵を返した。





「………セカイ、ありがとう」




ヘレンは小さな声で囁いた。



セカイがにこっと笑う。





「別に……僕、思ったこと、言っただけ。


ーーーヘレンはもっと、自分に自信を持っていいよ」





ヘレンは目を上げて、セカイを見た。





「………自信?」





セカイは目を細めてヘレンを見つめる。






「うん。自信。


だって、ヘレンは本当に素敵な人だよ。



僕、色んな所を旅して来たけど、どこの土地にも、ヘレンみたいに優しくて親切な人がいた。


そういう人たちに助けられて、僕たちは見知らぬ所でも何とかやって来れた。



ヘレンはその中でも、とってもとっても優しいよ。



あの人たちは、ヘレンのこと、暗いって言ったけど………。


ヘレンがあんまり喋らないのは、ちゃんと考えてから話すからだよね?



考えなしに喋って、人を傷つけるようなことを言ったらいけないから、よぉく言葉を吟味してから口に出すんだ。



そういうの、すごく大事なことだと、僕は、思う」