天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「………ヘレン。


よかったわね。

こんなきれいな男の子に、良く言ってもらえて。


さぞ嬉しいでしょ?」





マリが少し意地の悪い顔で言ってきた。



ヘレンは俯き、何も答えなかった。





その姿にまたマリは苛立たし気な溜息を吐く。





「………ねぇ。


こんな言葉、聞いたことある? 」






セカイが唐突にそう言った。







「溜息を吐くと、その分だけ幸せが逃げていくんだ、って」






女たちが一斉にセカイを見た。






「僕ね、これ、本当のような気がする。


だって、人の溜息を聞くと、嫌な気分になるもの。



………周りの人を嫌な気分にさせて、その気持ちが感染って、その人自身もきっと不幸になっちゃうんだ」






ざざ、とさざ波の音が聞こえる。