天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

女たちは困ったような顔を見合わせた。



セカイはさらに続ける。




「ヘレンが暗いだなんて、僕、思わないけど………。


だって、にっこり笑ってくれるし、きびきび動くし、元気な子だなって思ったよ」





手放しに褒められて、ヘレンは居心地が悪そうに顔を上げた。





「もういいわよ………セカイ。


なんだか恥ずかしいわ………」





「そう? ほんとのこと、言っただけ、だけど」






セカイに褒められて嬉しくないはずはなかったが、ヘレンに突き刺さるような女たちの視線が痛かった。





セカイは「友達」という言葉を使ったが、ヘレンにとって彼女たちは、友達というわけではない。




他人と打ち解けて話すのが苦手なヘレンには、友人と呼べるような人はいなかった。




彼女たちは、たまたま家が近く、仕事に出る時間も似ているので、海女仲間として同じ焚火に当たっているというだけの関係だ。



さすがに表立って言われることはなかったが、陰では彼女たちから馬鹿にされていることも、もちろん自覚していた。