天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

ゆるく頬を綻ばせたセカイの顔に、女たちは恥ずかし気もなく見惚れた。




目を微かに細めたので、光を受けて金色に輝く長い上の睫毛と下睫が、ふわりと触れ合う。



その色の薄い睫毛に囲まれた中に、紫に透ける瞳があった。





強い海風にはためく髪が、水底できらきらと揺れる美しい海藻のようだった。




その髪の間から時おり覗く、細い首筋からなだからな肩までの線に、彼女たちは釘付けになる。








海女たちが反応を見せないので、セカイも首を捻ったまま静止していた。




吹きすさぶ風の音と、波と轟きだけが聞こえている。





押し黙ったままセカイから視線を離さない女たちを、ヘレンは複雑な表情で眺めた。






(………いやだ、見られたくなかった。


知られたくなかった、セカイのことを………。



あたしだけの、宝物だったのにーーー)






それでもヘレンは何も言えずに、黙り込んでいた。