天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

そこに、砂の軋むざり、ざり、という音が聞こえてきた。



ヘレンが振り向くと、先ほどまで一緒に火に当たっていた海女たちが後ろにいた。




「………あ」




彼女たちのことをすっかり忘れていたヘレンが、間の抜けた声を出す。



一番前にいたマリという女が、ヘレンの肩に手を置いた。





「ねぇ、ヘレン」





遠慮がちながら有無を言わさぬ調子で話しかけてくる。





「その男の子、いったいどこの子なの?」




マリがそう訊ねると、他の女たちも同意するように頷いてきた。






「ーーーあぁ、あの、ちょっと………」





どう説明すればよいのか分からず、ヘレンの言葉は切れ切れになってしまう。




気が強くせっかちなマリは、苛立ったように眉を上げた。





「なによ、ヘレン。

はっきりしなさいよ」





声に微かに含まれる怒気を感じ取ったヘレンは、びくりと肩を震わせた。