天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

(………海の近くは、通り過ぎたことは何度かあったけど。



こんなに長く滞在したのは初めてだな)







チキュは、海が好きだった。



海が近づいてくるとそわそわし始め、光る水面が目に入ると、真っ先に飛び込んでいった。





頭のてっぺんから足の先までびしょ濡れになって波と戯れる無邪気なチキュと、砂浜に立って穏やかな表情でそれを見守っているウチュー。





物心ついてからずっと一緒にいた、大切な二人の姿が、セカイの瞼裏に浮かぶ。







(ーーーチキュ、ウチュー………。



どこにいるの?)








目を閉じたセカイの悲痛な思いが、声になることはなかった。