天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

そこに、パトロがやって来た。



「父さん、母さん」




穏やかな表情で父母に語りかける。




「今回は、ヘレンの好きにさせてやってくれよ………。


あいつが始めて、自分からやりたいって言ったことなんだよ。



………人手が足りないって言うなら、俺が二人分働くよ。


それに、タークだって背も伸びてきたし、そろそろ一人前に働かせてもいいんじゃないか?」





穏やかな声音でそう言われ、父母は「そうだなぁ」と頷き合った。





パトロは父母に向かって微笑み、ヘレンの後を追った。






部屋の隅でうつ向いて立ちすくんでいるヘレンの横に立つ。





「………ヘレン。大丈夫か?」



「兄さん………」




ヘレンは少しだけ顔を上げ、パトロの顔を見上げた。




泣いているかと思っていたのに、 ヘレンの瞳は乾いていた。



すこし意外に思って、パトロは目を丸くしながら言った。




「家の手伝いのことは、もうしばらくの間、許してもらえたよ」



「兄さんが、掛け合ってくれたのね?

ありがとう………」