天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「そうかぁ。

怪我人が起きたってことは、やっとお前も漁の手伝いに戻れるな」




ヘレンは「えっ?」と振り向く。



嬉しそうに笑っている父親に、ヘレンはしどろもどろに答える。




「………そんな、まだ無理よ。

だって、いくら目が覚めたからって、怪我は治ってないもの。


ちゃんと治るまで面倒みてあげなきゃ………」





しかし父親は首を横に振った。





「そこまでしてやる必要はないだろ。


うちにだって、うちの事情があるんだ。


まだ小さい子供がたくさんいて大変なんだから、お前は大事な働き手なんだぞ?


俺とパトロだけじゃ、漁の準備まで手が回らないんだ。売りにも行く暇がないし………。



それに、怪我人は、意識が戻ったなら、家族のところに帰してやるのが筋だろ。



家族がどこにいるのか、聞いておけよ。

俺が連れて行ってやるから」