天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「………一体どうしたの、あんた」




目を丸くした母親から訊かれて、ヘレンは「………別に、なんでもないわよ」と口を窄めた。





ヘレンがそのまま黙ってしまったので、母親は溜息を吐く。




「本当にはっきりしない子だね!

もっとはきはきと喋れないの?


………ま、いいよ。

一日好きなことしてたんだから、夜ご飯くらい手伝ってよね」




「………うん。

言われなくても、そのつもりよ」





小さく答えて、ヘレンは母親の隣に並んで野菜を切り始めた。





そこへ、父親が帰ってきた。





「おい、ヘレン。


パトロに聞いたぞ、怪我人の目が覚めたんだって?」




ヘレンは振り返り、微笑んで答える。




「うん、そうなの。

思ったよりも元気なのよ」




「そうかぁ。よかったなぁ」





父親がそう言ってくれたので、ヘレンは嬉しくて、笑顔のまま料理を続ける。