天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「今日は色々忙しかったのよ。

本当にごめんね、また今度行こうね」




小さな弟たちと視線の高さを合わせるように屈み込み、ヘレンは優しく微笑んだ。




「ちぇっ。仕方ねぇな!」



「ほーんと、虫捕りに連れてくことも満足にできねーなんて!!」



「全く役立たずな姉貴だな!!」





弟たちは好き勝手なことを言いながら、奥へと戻って行った。




ヘレンは暗い溜息を吐き、足を台所へと向ける。





そこには、夕食の準備をする母親の背中があった。




「………お母さん、ただいま」




母親の後姿から立ち上る不機嫌を感じ取り、ヘレンは恐る恐る小さな声で言った。




母親は顔を顰めて振り返った。




「おかえり。

……いいご身分だねぇ、ヘレン。

こんな時間まで遊びまわって………」




開口一番に嫌味を言われ、ヘレンは顔を俯ける。