天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

髪を結い終えたので、ヘレンは包帯を再び手に持った。




セカイの胸元に頬を寄せるようにしながら、包帯を巻きつけていく。




ーーーまるで、胸の中に飛び込んだみたい。




そんな錯覚を覚えながら、ヘレンは右手で包帯の先を薄い背中へと回し、左手に移し替える。




その動作を繰り返している間、セカイの静かな吐息が、ぱさついた赤毛を微かに揺らしているのをヘレンは感じていた。





時折視界に入ってくるセカイの胸は、光を受けて、透けそうなほどに白い。



首の後ろまで日に灼けて浅黒い肌を自覚しているので、ヘレンはいたたまれなかった。





知らず知らずの間に息を止めていたヘレンは、息苦しさにはっとして身を引いた。



そして、一気に息を吐き出し、肩で呼吸をする。




その様子をセカイが不思議そうに見ているので、ヘレンは顔を赤らめた。




気まずさを隠すように「よし、完了!」と言い、セカイの顔を見る。




「じゃ、また夜、来るから………。

大人しく寝てるのよ」




セカイは口許を微笑ませて、「はぁい」と素直に答えた。