はしたなくも小走りになりながら天宮の廊を薬師の詰所の方へ向かっていると、曲がり角の所でばったりとタツノに行き合った。
「あ、あ! タツノ様!!
ちょうと良いところへ………!!」
慌てふためいた様子で声をかけてきたサヤを見て、タツノはぴんと来た。
「なんだ、娘がやっと目覚めたか」
「いえ、あ、はい………」
サヤが曖昧に返答する。
タツノは「なんだその中途半端な返事は」と不可解そうに言った。
サヤが慌てて答え直す。
「あの、お目覚めになったといえばお目覚めになったのでしょうけど………。
ですが、たいへんなお苦しみようで…」
それを聞いて、タツノはひっそりと眉根を寄せた。
そのまま黙って足早に歩き出す。
ぱたぱたと後を付いて来るサヤを振り返り、「お前は薬師を呼んでこい」と制した。
「あ、あ! タツノ様!!
ちょうと良いところへ………!!」
慌てふためいた様子で声をかけてきたサヤを見て、タツノはぴんと来た。
「なんだ、娘がやっと目覚めたか」
「いえ、あ、はい………」
サヤが曖昧に返答する。
タツノは「なんだその中途半端な返事は」と不可解そうに言った。
サヤが慌てて答え直す。
「あの、お目覚めになったといえばお目覚めになったのでしょうけど………。
ですが、たいへんなお苦しみようで…」
それを聞いて、タツノはひっそりと眉根を寄せた。
そのまま黙って足早に歩き出す。
ぱたぱたと後を付いて来るサヤを振り返り、「お前は薬師を呼んでこい」と制した。



