天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

ヘレンは居心地が悪そうに身動ぎをした。




そして、「包帯、替えなきゃ………」と独り言のように呟く。




傍らに置いてあった、家から持ってきた荷物をがさごそと漁り始めた。





中から、きれいに洗って日光に当てて消毒した布を取り出す。





「………あの、セカイ。


包帯を替えるわね………」





「うん。お願いします」






セカイがそう言って丁寧にお辞儀をする。



その様子に、ヘレンは思わず吹き出してしまった。




セカイは、前を止めずに軽く羽織っていた上着を脱ぐ。




細かい傷が散らばっている、痛々しい上半身が現れた。





その真ん中に、包帯が幅広く巻かれていた。






これまで毎日見て、触れていた身体なのに、ヘレンは何となく直視できず、横目でちらりと確かめる。





すると、包帯には赤々と血が滲んでいるのが分かった。