天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

飲み干して擂鉢から口を離したので、ヘレンは「苦いでしょ?」と訊いてみた。





するとセカイは、うーん、と首を傾げ、考え込んでいる。






「………うん。確かに、苦いね」





実感の籠っていないような、客観的にも聞こえる言葉に、今度はヘレンが首を傾げた。





(この人、とにかく感覚が鈍いのね、きっと。


だから痛みも人より感じてないんだわ)






痛みを感じないなど、普通に考えれば珍妙きわまりないことだった。




しかし、浮世離れしたセカイの容貌を見ていると、たいして不思議なことでもないように思われた。





それほどに、ヘレンにとってはセカイは神秘的な存在だった。