天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

耳を劈くような金属音を耳にして、サヤは慌てて控えの間から飛び出した。





サヤが世話するべき主人が眠っているはずの部屋へ駆け込む。






その純白の部屋の床を、小柄な少女が呻き声を上げながらのたうち回っていた。




その細い身体には天蓋の絹布が巻きついてしまっている。




「まぁ、姫さま!!」





サヤは両手で口許を抑えて叫んだ。





「あぁ、どこかお苦しいのですか?


どうしましょう、どうしましょう………」




サヤはうろうろと傍らを歩き回った。



その間も、少女は苦しそうに眉を顰めて唸っている。




「あの、薬師を呼んで参ります!


しばらくお堪え下さいませ!!」




そう言い置いて、サヤは部屋を駆け出していった。