天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

セカイが寝ている小屋に着き、ヘレンはそっと戸を開けた。





細い隙間から中を覗き込んでみると、セカイは微動だにせず横たわっている。



まだ眠っているのだろうと思い、ヘレンは音を立てないように戸を閉めた。







小屋の近くにある井戸で、竹筒に水を汲む。



少し離れた浜辺まで行き、山で集めてきた枯葉や枯れ枝を使って、焚き火を起こす。




その焚き火で湯を沸かしている間に、ハンナから借りてきた擂鉢と擦り棒を使って、薬草類を液状になるまで細かくすり潰した。




浜砂に密着している足の裏は焼けるように熱く、身体中の汗も止まらなかった。



顎先からぽとりと零れた汗が、怪我をした手の甲に落ちて、ひどく沁みた。





やっと沸き上がった湯を、薬草の入った擂鉢に入れ、丁寧に溶いていく。




「………ふぅ、できた」



ヘレンは一息ついて、擂鉢を持って立ち上がった。