*
ハンナの家を出た後、ヘレンは少し茫然としたように、ゆっくりと歩いていた。
(………どういうこと?
セカイが、災いを呼ぶとでも言うの?)
実際に会ってもいないハンナに、なぜそんなことが分かるのだろうか。
ヘレンは不満だった。
ーーーセカイは、透明だった。
美しいセカイの容姿は、陽の光に溶けてしまいそうなほど透明だった。
少し話しただけで、その心も透き通っているのだとヘレンには分かった。
あんなにきれいなものは、見たことがなかった。
それなのに。
(災い………?)
そんなことを言われても、納得できるわけがなかった。



