天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

(ーーーふぅん……。


大きな切り傷とはねぇ、穏やかじゃないねぇ………)





ハンナは内心そう思ったが、何も言わずに黙って聞いていた。




ヘレンは顔を俯けたまま、こめかみに汗を浮かべて話し続ける。





「あの、兄のパトロに聞いたら、まず何か食べさせた方が良いって。


でも、どんな物なら大丈夫なのか、よく分からなくて………」





そこでヘレンがちらりと上目遣いで様子を窺ってきたので、ハンナは軽く頷く。





「それで、私に訊きに来たってことかい。


その怪我人に何を食べさせればいいのか………」




「は、はい! そうなんです!


教えてもらえませんか?


お願いします………」






ヘレンは膝頭に手を当てて、深々と頭を下げた。




ハンナは「そうだねぇ………」と呟く。





「しばらくの間、飲まず食わずで眠ってたんだろ?


いきなり普通のものは、身体が受け付けないはずだよ。

とりあえずは、白湯がいいだろう」





「そうですよね。

ありがとうございます」





ハンナの言葉に、ヘレンは頷いた。