天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

曲がった腰に手を当てながらゆっくりと歩くハンナは、窓際の椅子にぎこちなく腰を下ろした。



ヘレンは、目で示された小椅子に座る。





ハンナが咳払いをした。



それに急かされるようにして、ヘレンは顔を伏せて「実は……」と話し始める。





「………あの、今、あたし、怪我人の世話をしてるんです」





唐突にそう言われ、ハンナは少し驚いて両眉を上げた。





「ほう、怪我人、ね………。


村人じゃないってことかい?」





「あ、はい、そうです」





ヘレンは少し肩を竦めるようにして、うつ向いたまま答えた。




ハンナが軽く鼻を鳴らす。





「ふぅん………そうかい………。


で、どんな怪我なんだい?」




「ええと、大きな切り傷です………。

かなりの重傷で、血もたくさん流れたみたいです。


それで、ずっと眠ってたんですけど………今朝、やっと目覚めたんです」