天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

どうしても彼の命を助けたい、と必死に言うヘレンを見て、父母と兄が止血して、手当を施してくれた。



そして、ヘレンの生まれ育った漁村まで何とか運び込んだ。





兄弟が多いヘレンの家には、余っている部屋がなかったので、新天地を求めてカルフィを捨てた元漁師の住んでいた小屋に寝かせた。






彼の傷は、ひどく重かった。



素人の応急手当てには限界を感じ、付近の町で一番の腕前と言われる医者をヘレンは必死に説き伏せ、何とか小屋まで連れて来た。




医者は、濾過した井戸水で傷を洗い、殺菌作用の強い薬草で消毒し、傷を縫い合わせてくれた。




彼を看た後の医者の話は、次のようなものだった。



鋭い刃物で切り裂かれた胸腹部と大腿部の怪我が大きな血管を傷つけているので、かなりの出血があったと思われる。



体温が低いので、とにかく湯を沸かして温めてやること。



傷が膿まないように、常にきれいに洗って清潔な包帯に付け替えてやること。





丁寧に手当をし、看護の方法まで親切に教えてくれた後、医者は帰っていった。