天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

息を詰めて見守っていたヘレンは、ほぅ、と溜息を吐いた。





セカイは、剣から離れた掌をじっと見つめている。






「………ね、それ、どうする?」





小さな声で、呟くようにヘレンが訊いた。




セカイはちらりとヘレンを一瞥し、また視線を右手に戻す。




乾いた血が赤黒く纏わりついている、忌々しい刃。







「ーーー僕、そんなもの、持ちたくなかった………。



でも、これからは、持たなきゃいけないのかな…………」






独り言のようにそう言うと、静かに瞼を下ろした。







その眼裏に、今、どんな幻影が映し出されているのだろうーーー。






そう思いながら、ヘレンは剣を麻布で包み、落ちていた縄でぐるぐるに縛って、少し離れた所にそっと置いた。






そして、黙って立ち上がり、戸口から外へと出た。