天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether









(………う、………くるしい……)




チキュは、息苦しさに目を覚ました。




ぼんやりと霞んだ視界。





一面、真っ白な部屋だ。



どこもかしこも白くて、天井と壁の境さえも分からない。






(…………どこだっけ、ここ………)







チキュが寝ている寝台の上には、天蓋が付いていた。




薄く向こう側が透ける絹布が、ふんわりと周囲を覆っている。





(…………息が、苦しい………。


なんで………?)





いくら空気を吸っても、肺に入っていかないようにチキュには感じられた。




天国は地より遥か上空にあるので、地国よりも随分空気が薄いのである。




チキュは思い切り息を吸い込み、吐いて、それを繰り返した。