天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

セカイはゆっくりと首を巡らせた。





「………僕の、名前?」






その瞳が、陽の光を集めて紫色に透き通っている。




見たこともない神秘的な色彩に、ヘレンは目を瞠る。






(ーーーなんて不思議な色なの………。


宝石みたいにきれいな、紫………)






じっと見つめてくるヘレンの赤茶の瞳を感じながら、セカイは考えた。






(…………僕の名前。



それって、何だろう?)







セカイは寄る辺ない思いを抱く。





(………ここには、チキュもウチューもいない。



僕を知っている人は、いない。


僕がセカイだということを知っている人は、誰もいない。



ーーーセカイという名前には、今、何の意味もない………)






空虚な想いを抱きながら、小さな声で、確かめるように、セカイは言った。